売買制度
同時呼値配分・ストップ配分の配分方法
証券市場において売買立会の始めの約定値段(始値)等を決定する場合、その売方、買方の呼値(注文)は大量に行われます。この大量の呼値(注文)を捌くため、従来より証券取引所では「板寄せ」という配分方法により約定値段を求めてきました。
この配分方法は、約定値段決定前の呼値(注文)をすべて板という注文控えに記載したうえで、
(1) 成行呼値の全部
(2) 当該値段に満たない値段による売呼値及び当該値段を超える値段による買呼値の全部
(3) 当該値段による呼値について、売呼値又は買呼値のいずれか一方の全部
の数量について、売呼値の合計数量と買呼値の合計数量とが一定の値段で合致するとき、その値段を約定値段とする方法です。
この方法で約定値段を定めるのは、①「売買立会の始めの約定値段」のほかに、②当取引所が定めるところにより、特定の銘柄について売買が中断された場合の中断後最初の約定値段「売買停止後の最初の約定値段」、③「売買立会終了時における約定値段」、④当取引所が定めるところにより気配表示が行われている場合の約定値段及び当取引所が呼値の状況から必要があると認める場合の約定値段「特別気配表示後の約定値段」、としています。
配分方法
配分方法 | |
---|---|
同時呼値配分 ストップ配分 |
(1)取引参加者単位で注文を合計する。(数量の多い順) (ストップ配分については、成行注文を制限値段の指値注文と読み替える。) (2)取引参加者ごとに1単位ずつ割り当てる。残数量がなくなるまで割り当てを行う。 |
具体例
同時呼値・ストップの配分 | |
---|---|
発注例 | (売) E50 (買) A20、B10、C10、D100、A40 |
配分順序 | |
(1)名寄せ |
取引参加者単位で注文を合計する。 (売) E50 (買) A60、B10、C10、D100 |
(2)配分方法 |
①数量の多い順(同数の場合は記録順)に並び替えたうえ、注文数量順に1単位ずつ割り当てる。残数量がなくなるまで行う。 (売) E50 を (買) D100、A60、B10、C10 へ 配分する。 D:15単位 (結果的に1単位ずつ15回割り当て) A:15単位 (結果的に1単位ずつ15回割り当て) B:10単位 (結果的に1単位ずつ10回割り当て) C:10単位 (結果的に1単位ずつ10回割り当て) |
②配分後の残数量 (売) E0 (買) A45、B0、C0、D85 |
|
約定数量 | (売) E50 (買) A15、B10、C10、D15 |